こんにちは。フリースタイルな僧侶たちWeb版の編集部です。
大変お待たせいたしました。結果発表が予定よりもかなり遅くなってしまったこと、申し訳ございませんでした。
第2回の開催となりました、お坊さんによるWeb説法大会「むちゃぶり法話バトル」。今回のむちゃぶりお題は「筋肉」です。
全国のお坊さんから投稿いただいた法話を、審査員のお三方に1人1つセレクトいただき、現在3つの法話が候補となっています。
セレクトされた3つの法話はこちら
- エントリーNO.1 うたうお坊さん上人
- エントリーNO.2 藤澤彰祐上人
- エントリーNO.3 Dr.Bozu上人
そして先日、読者投票期間が終わり、集計の結果が出ています……大変お待たせいたしました。
第2回むちゃぶり法話バトルの「ベスト法話」は……
こちらです!!!!
エントリーNo.1
- お名前:うたうお坊さん
- ご年齢:28歳
- 所属寺院:大分県法音寺
- SNS:Twitter
ベスト法話全文
筋肉と言えば、僕は2年前の7月から毎日筋トレをしています。
なぜ2年前の7月かと言うと、ある出来事がきっかけなんです。
それは"九州北部豪雨"。
あの大雨で被災した地区のガレキ撤去に、
地元のお寺の青年会でボランティアとして伺った時のこと。
青年会の中でも一番若い僕は、
『若いから動けるやろー』と年配のお坊さん達から頼りにされていました。
しかし、
雨水を吸った畳や、大きい家具、
そして何より床下に入り込んだ泥水を永遠と掻き出す作業で、
僕の体はボロボロに。。
なんとかその日の作業を終えたはいいものの、次の日には全く腕が上がらず。首もまわらず。
今まで経験したことのない筋肉痛…いや、
"スーパー筋肉痛"に苦しめられたのでした。
その日も作業を手伝う予定だったのですが、余りの筋肉痛に、
『先輩、申し訳ないんですが、体が痛くて動けません。今日は休ませてください。』
と言って休ませてもらうことになりました。
と、その時
電話に出てくれた先輩僧侶が一言。
『そりゃそうやろ!お前、昨日がんばりすぎやわ〜!なんでもほどほどに、中道(ちゅうどう)でやらんとな。
今日はゆっくり休めばいいわぁ。 』
と、ありがたいお言葉をいただきました。
"中道(ちゅうどう)"とはお釈迦さまの教えです。
王様の息子として生まれたお釈迦さま。
贅沢な暮らしをしても本当の幸せにはなれなかった。
かと言って、体を痛めつける苦行をしても本当の幸せにはなれなかった。
極端なことではなく、真ん中くらいの道をほどほどに進むのが悟りへの道だと気付いたのがこの、中道という教えです。
どれだけ良いことでも、正しいことでも、
やり過ぎてしまうと苦しみを生んでしまいます。
何でもほどほどに、人のペースではなく、
自分のペースでやったほうがいい。
スーパー筋肉痛を通して、このことに気づかされました。
あの日を境に、いつ災害が起こっても手伝いに行けるよう、毎日筋トレをしてます。
でも、たまには休みます。
というかけっこう休みます。
大切なのは"中道"ですから
まさかの二連覇……もはやMr.法話バトル!?
読者投票の結果、第2回のベスト法話の栄冠に輝いたのは、うたうお坊さん上人の法話でした!!!なんと、第1回から連続のベスト法話選出!!!初回大会から二連覇とは、WBCの侍JAPANを彷彿とさせる圧倒的強さです。
ちなみに、票の内訳は以下のグラフのようになりました。
以上のように、前回に続き、接戦になりました。以下、編集部からのコメントです。
NO.2の法話は審査員の仏師、三浦耀山さんのコメントの通り、従来の法話の形式から一歩出ようとするような心意気を感じさせていただきました。またNO.3の法話は、筋トレへの造詣が最も深く、普段からトレーニングに励んでらっしゃるお坊さんなのではないかと読み手に想像させてくれました。
また他にエントリーいただいた10本の法話のすべてに個性があり、見る者聴く者によっては、おそらく評価が変わってくるのではないでしょうか。確実に第1回の開催よりも、法話の個性がグンと爆発しているような印象を受けました。
しかし、今回のベスト法話は誰がなんと言おうと、ただ一つ。エントリーNO.1のうたうお坊さん上人、二連覇おめでとうございます!
筋トレをする理由から筋トレへの向き合い方まで、多くの人が共感できる法話でした。お坊さんがなぜ筋トレをするのか。それはいざという時に動けるようになるため。自分のためだけではない、利他の筋トレが心を打ちます。
それでも、筋トレあるあるといえば「三日坊主」。一度決めた意思を保ち続けることは誰にとっても難しいことです。そんな私たちの心に寄り添うように「ほどほどでいいんだよ」と中道の教えをそっと置く、素敵な法話の締め方でしたね。
改めまして、うたうお坊さん 上人、第2回むちゃぶり法話バトル「ベスト法話」受賞、おめでとうございます!
むちゃぶり法話バトル、次回開催に乞うご期待!
さて、第2回むちゃぶり法話バトルいかがだったでしょうか?
回を追うごとに、法話の個性がだんだんと伸びていく展開に編集部一同、興奮しながらすべての法話を拝読させていただいています。同じテーマでもお坊さんによってここまで視点が異なるのかと、毎度のごとく感動を覚えています。投稿してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
むちゃぶり法話バトル、次回開催は未定なのですが、近いうちに必ず開催したいと思います!楽しみにお待ちください!
(最後になりましたが、お忙しい中にもかかわらず法話をご投稿くださったみなさま方、快く審査員を引き受けてくださったみなさま方、誠にありがとうございました。)