「仏ものまね」やってみた Vol.4 コンプレックスを成仏!?

大好評の仏ものまね連載。今回は悩みを抱えたある女性が、ほっとけーきず演じる仏さまに相談しにいきます。誰もが抱える「見た目のコンプレックス」。はたして、仏ものまねで成仏することはできるのでしょうか?

皆さま、はじめまして。お寺好きの河澄かるめと申します。

普段はイラストや漫画を描いていて、イラストレーターを名乗っています。
仏像見仏歴はまだ2年弱の新米。なにやら「仏さまに悩みを相談できる」との怪しい噂を聞き、半信半疑で今ここにいるわけなのですが。

私の悩みはズバリ、子供っぽく見られることです。

身長が小学生並みに低く、童顔のため色気が皆無。しかも精神年齢も見た目に比例して低いというダブルパンチ。つまり、大人の魅力がないのです。

仕事では頼りがいが無さそうにみられるし、海外で20歳以上しか入れないお店に行ったら、パスポートを見せる暇もなく店から追い出されたこともありました。

大人っぽくなる方法、誰か教えて〜〜〜! と思ってると、どこからか声が。

目をつむってください……

えっ……? 目をつむればいいんですか?

(な、なんか気配がする……)

「では、目を開けてください」

はい……わかりました……

パッ

どええええええええええ~~~!!!!!!

突然現れた仏さまに度肝を抜かれました。これが仏ものまね……!

ほっとけーきず

田中ひろみ(ver.阿弥陀如来)

イラストレーター&文筆家。奈良市観光大使。丸の内はんにゃ会代表。「仏像なぞり描き」シリーズ(池田書店)「時間を忘れて 仏さま塗り絵(東邦出版)」など著書は約60冊。
公式ホームページ▶︎ http://usagitv.com/

みほとけ(ver.薬師如来)

仏像に一番近いアイドルを経て、仏のピン芸人へ。2019年にはTHE W、R-1グランプリに出場。仏像になりきる「仏ものまね」を生み出した、仏クリエイター。
Twitter▶︎ https://twitter.com/mihotoke_chan

 

大人っぽくなりたい!


あの……仏さまに相談ができるって聞いたんですけど、本当に話聞いてくださるんですか?

いいですよ!まぁ、私たちこんな格好してるけど、ただの如来風の人間なんですけどね

にょ、如来風の人間!?

つまり、ただの人間です

は、はぁ……(それ言ったら、もう企画倒れなのでは!?) とりあえず、私の悩みは子供っぽくみられることです。もっと大人の女性になりたいです。もう26なので。

え!? 26なの!? 羨ましい! 高校生みたいじゃない!? 

ウッ…!

(阿弥陀如来から辛辣なお言葉をいただいた)

でも歳下にみられるほうがさ、嬉しくない?

嬉しいですけど、もっとこう、デキる女っぽくなりたくて……!


いや〜若くみられたほうが人生得よ

う、う〜ん……

如来らしからぬ、人間味のあるアドバイスをいただき戸惑う私。

まぁまぁ、みかんでも食べなよ

(なぜか突然みかんをもらった)

はぁ……どうも……ってそのみかん、薬師如来の薬壺(やっこ)じゃないんですか!

薬壺(やっこ)とは薬師如来が左手に持っている入れ物。あらゆる病気を治す薬が入っていると言われています。
たしかにみかんも風邪に効くとはいうけども……!

見た目で悩んでるんだったらさ〜 仏になろ!菩薩!聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)!

え!急!!! どういうことですか? 聖観音菩薩……ですか?

(とりあえず、みかんを食べて心を落ち着けることにした)

観音菩薩(観世音菩薩)は、十一面観音とか、千手観音とか、いろんな姿に変化する菩薩さまなんですけど、その中でも一番オーソドックスなお姿が聖観音菩薩なの

(イラスト:河澄かるめ)

つまり、何色にも染まれる菩薩さんってこと! だから、かるめちゃんもさ、聖観音菩薩になって大人な女性に変身してみようよ!

いや、そんないきなり言われても……

願って修行すれば誰でも仏になれるのよ!


なんなんでしょう、この「仏が言うならそうなのかもしれない」感。これが如来風の人間の説得力なのか……

というわけで、期待を少し抱いて、仏ものまねに初挑戦することに。

菩薩に変身!果たして大人の魅力はだせるのか!

では、早速これを着てください

「それただのタンクトッ…」とツッコみたい気持ちを抑え、仏さまに言われるがままに着替えていきます。

(いや、ここはメイクアップサロンか!!)

かるめちゃんさ、丸顔だから童顔って言われるんだと思うのよ

ウッ……。それは否めない

だから目指すは、シュッとした聖観音菩薩みたいな、たまご型の顔!

なるほど、お願いします!



だんだんと聖観音像風メイクが仕上がっていきます。

おでこの丸みがさ、子供の仏像そのものなんだよね……ほっぺた赤くするともう完全に童子だし……

この時からすでに仏スイッチが入っていて、されるがままの私。続けて菩薩のトレードマークの宝冠を被らせてもらいます。

おっ!菩薩っぽくなってきた!やっぱり菩薩は宝冠で決まるね!

ここで、私は初めて目を開けて、自分の状態を見てみることに。

ジャーン!


なっ! なんかすごいことになってる!!!!


髪型とメイクを変えるだけでこんなに雰囲気が変わるものなんでしょうか。いつもの自分と違う姿を見て、ちょっと自信が湧いてきた、かもしれない。

でも、ここで一つ疑問が……はたして、大人っぽくなっているのか?? より幼さに磨きがかかっている気も……

ハイハ〜イ!次は三道を描いていきます。

(イラスト:河澄かるめ)

三道とは、首のシワのこと。仏像をよく見てもらうとわかると思いますが、仏さまの首は三段になっているのです。

あ、すみません、私、首が弱いので、自分でやります!

セルフでメイクを施すことに。不思議と自ら変身する意欲がでてきたのかもしれません(首が弱いだけだけど)。

仕上げに布多めでスカートを作って、肩掛けを羽織りましょうか!

はたからみたら七五三の着付けのよう。でも、私は大人に……菩薩になる……!


そして、完成した結果が……

こちら……!!!

あらヤダ、かるめちゃん、かわい〜〜〜〜〜!!!お人形さんみたいね〜〜〜〜!!!

お稚児さんじゃん〜〜〜!!

取材班も含め、たくさんの歓声が上がりました。親戚一同にチヤホヤされる幼女の気分です。スタジオアリスかここは。

そして、絵面が濃いスリーショットがこちら。

どうでしょう。私、全然大人っぽくなってなくないですか? 

でもなぜだか、不思議と受け入れてしまっている自分がいました。

変身してみてどうだった?

結局、大人っぽくはなれなかったけど、いつもと違う自分を見て、すごく新鮮な気持ちです。こんなわたしもあったんだって。

そうよ、もちろんこれからもっと大人っぽくなることもできると思うけど、かるめちゃんにはかるめちゃんの良いところもあるんだから

ないものねだりばっかりしてると、自分の良いところも見えなくなってくる法則あるよね。「自分らしく」に固執し続ける必要もないけど、まずは自分を知ることも大事かもよ!

今まで童顔がコンプレックスで大人っぽさばかりに憧れていたけど、一回わたしを受け入れてわたしを精一杯楽しんでみようかな、という気持ちにもなりました。菩薩にもなれましたし……

如来のお墨付きのかわいさだから自信持って!


はい!ありがとうございます!

どんな自分であっても、まずは受け入れないことには、コンプレックスは本質的になくならない。今まで分かってたつもりだったのですが、実際に仏さま(如来風の人間)とお話して身に沁みたことです。

これからは他人と比較せず、他人の目も気にしすぎず、まずは自分自身を見つめてようかなと思いました。

仏のメイクアップサロン、ありがたし。(ほっとけーきずの仏ものまねの道はまだまだ続く)

 by 河澄かるめ( Twitter ・Instagram ・ブログ )