「僧侶とかマジ無理なんですけど?」
こんにちは、僧侶の稲田ズイキといいます。
突然でごめんなさい。でも、先日そう言われたのです。
「僧侶とかマジ無理なんですけど?」
えっ、何が「無理」なの?
人間的に? 生理的に? どちらにせよ、やだ!
僕にそう言ってきたのは、渋谷で会った20歳そこらのギャル。
出会って早々、僧侶にそう言えます?
しごくシンプルな「僧侶=無理」の法則。
釈迦でも涅槃前に思い出してしまうレベルのトラウマやぞ。
あのギャル、マジで辛辣すぎる。
あれ……でも、気づいてしまいました。
このメディアの名前は「フリースタイルな僧侶たち」。
僕らは誰かにとって「マジ無理」なメディアをしているんじゃないですか?
「マジ無理」を「マジ卍」に。
(フリーマガジンVol.46より フリスタの「中の人」)
「フリースタイルな僧侶たち」は、約10年前に創刊されたフリーマガジンです。
「”お坊さん=お葬式”というイメージを脱却したい」
「仏教の持つ豊かな可能性に出会っていただきたい」
その想いに僧侶や仏教ファンが集い、フリーマガジンは毎号1万5000部を超え、今ではたくさんのサポーターに支えていただける媒体になりました。
最近では、見渡せば、毎日のように仏教に関するイベントが開かれています。
座禅会や、寺フェス、寺マルシェと、以前に比べ「開かれたお寺」が増えてきました。
御朱印巡りブームもあり、若い世代の参拝も増えてきているのではないでしょうか。
ですが、渋谷のギャル曰く「マジ無理」なのです。
この世に「僧侶=マジ無理」は依然として残っているのです。テラ悲しい。
それに、「お寺が好き」と語る若者に深く尋ねてみても「えっ 仏教なにそれ?」と返ってくることだってたくさんあります。
ー届ききっていない。
ー流行として「消費」されている。
10年前からすれば、たしかに前進してはいますが、まだまだ課題はあります。
ですが、それは逆にいえば、伝えきれていない仏教の可能性がまだ存在しているということです。
ー1つでも多くの「マジ無理」を「マジ卍」に。
ー1つでも多くの「流行」を「仏道」に。
そんな思いを込めて、新しくWebマガジンを創刊することにしました。
シティボーイもギャルも、すでに「僧侶」なのかもしれない
みなさんが一番気になっているであろう、このWebマガジンのデザイン。そこに込めた思いは。
「ギャルだって、もしかしたら僧侶なんじゃないの?」です。
表紙はあえて、僧侶ではなく、一般の女性(ギャルではないけど)を起用しました。
場所もお寺とかではなく、街中。しかも、煩悩ひしめく街、渋谷で。
別に、仏教が説かれる場所は、お寺だけじゃありません。
そして、仏教のメッセンジャーは、僧侶だけでもないと僕らは思っています。
例えば、都会で満ち足りた生活をしている女の子も、ふと寂しさを感じる瞬間があります。
「この寂しさの正体は何なんだろう。」
そう気づいた瞬間から「もう仏道は始まっている」
僕はそう思うんです。
何気ない日常の中にこそ、仏教的な気づきがあり、それにアンテナを張り巡らせること自体がもう修行。
フリースタイルな僧侶たちの代表の言葉を借りるなら「日常は仏教の実践フィールド」なのです。
だから、街中だって、クラブだって、「お寺」だし、
シティボーイだって、ギャルだって、すでに「僧侶」なのかもしれない。
そうやって、既存の枠組みを超えて、フリースタイルに仏教の概念を問い直すことが、「フリースタイルな僧侶たち」の意義なのだと僕は思っています。
今後のラインナップ
今伝えた思いを宿して、今後は3つの記事を出す予定です。
①地獄寺研究家「地獄ちゃん」に聞く、タイの地獄寺がヤバい理由
仏教のハマり方は自由です。
地獄ちゃんは、タイ旅行中に「地獄寺」にたどり着いた際の、達成感と高揚感から、地獄寺にハマることになりました。今では日本初の「地獄寺研究家」です。
一番の謎である「なんで地獄寺はグロテスクな世界観を表現し続けるの?」を中心に、根底にある「好き」を掘り下げてインタビューしました。
②街で100体以上の「ロボ」を撮り続ける男性に聞いた、日常を楽しむ修行法
世の中には奇想天外な趣味を持つ人がいます。
インタビューしたこの男性は、街中で「ロボ」の写真を撮り続けているのだという。
「えっ、ロボってなに?」と思われてしまうかもしれないけど、それは記事公開時のお楽しみに。
一つ視点を変えるだけで、日常は180度変わる。そんな日々を楽しむ「修行法」を教えてもらいました。
③「ギャル meets 仏教」
ーもしギャルがお寺を訪れたらー
ーもしギャルに仏教を教えたらー
ーギャルは一体どうなってしまうのだろう?ー
そんな「未知との遭遇」をプロのカメラマンとともに撮影しました。
世界初「ギャル meets 仏教」の写真集です。
と、こういう感じで、Webでのオリジナルコンテンツをドンドンと出していく予定です。
「マジ無理をマジ卍に」
「流行を仏道に」
そんな思いを込めたフリースタイルな僧侶たちのWebマガジンを、ぜひ一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。
これからどうぞよろしくお願いします。
-Special Thanks- (今回のWebマガジン制作に協力してくれた方々に感謝を込めて)
デザイナー・ディレクター:磯部亮太
エンジニア:藤吉俊樹
表紙モデル:文月
表紙撮影:横尾涼
- 執筆:稲田ズイキ(Web編集長。スマホの待ち受け画像が檀家。)